近代的な戦略の概念が成立するまでの学説史という論文

近代的な戦略の概念が成立するまでの学説史という論文紹介がありましたのでご紹介いたします。
タイトルからしてかなり硬いイメージですが、要は戦略という考えの発達史です。戦略といえば、クラウゼヴィッツが説く、戦略の目的は講和で、まさに政治の一環として戦争が行われているというマクロ的な解釈が一般的ですが、それまでは、あくまで戦場内での戦略と戦術の区別などかなりミクロ的でした。しかし、兵器の発達などで、戦争指導者が近場の戦場に入れなくなるという変化や国民国家として、戦争及び軍隊を分業化され、区別されていくようになりました。
いまでは、大戦略や軍事戦略などという戦略概念の生まれてきてますが、そもそも戦略の概念がなければ成りたち得なかったと思います。今では常識化されている戦略概念で、これらを善悪二元論的に評価することなく、当時の戦争形態や兵器などを考慮し、発達史を研究するとまた新しいものが見えてくるかもしれません。それが、戦史(歴史)から学ぶというものです。

戦略発達小史 (「」が彼らの戦略概念)

・マイゼロア(1719〜1780)
フランス軍人
「戦争術の中で原理原則により教育可能な領域とそうでない領域を区別し、前者を戦略、後者を戦術と考えた」
↓再定義
・ビューロー(1757〜1807)
ドイツ(プロイセン)軍人
「戦略を「敵の視界外もしくは火砲の射程外の作戦行動」、戦術を「これらの範囲内のあらゆる作戦行動」と定義されており、作戦部隊が戦闘状態に入る前の活動を戦略で定め、戦闘状態に入ってからの活動については戦術の領域として取り扱った」
↓クラウゼヴィッツの批判
・クラウゼヴィッツ(1780〜1831)
プロイセン、ロシア陸軍
「戦略の究極の目的は講和にあると彼は考える。戦場の勝利は講和の達成という戦略の目的に寄与したときに戦略の手段としての意味を持つ」

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