三人で並んで食事するの久しぶりだね

三人で並んで食事するの久しぶりだね



強かった父の背中は何時しか小さくなった。


真っ白だった母の手は何時しか小さくなった。


『ごめんね。心配ばかりかけて。』




やっと言えた。


「久しぶりに笑うとこ見た。笑顔を見るのいつ以来かな。」



僕は笑った覚えはない。母は泣き笑い、父の視線は宙をさ迷っていた。


「何時でも帰っておいで。お父さんな。息子のお前が生まれた日を最近思い出すんだ。あの時は嬉しくて、嬉しくてさ。そのお前がもうすぐ30かって思うと不思議な気持ちだよ。」




母のカレーは相変わらず野菜てんこ盛りで甘すぎる。


僕は祖母の仏壇に言った。


『ただいま。婆ちゃん。ただいま。さくら。』

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